「貧困旅行記」 つげ義春 株式会社晶文社 1991

2013年05月23日 17:34

 貧困旅行記は旅好きの筆者による紀行文である。目次ごとに旅は異なっており、中でも一番おもしろかったのが、行った先で出会った女性と結婚し、そこに住むつもりでしていた旅だ。住み着く方法もさることながら、行って帰ってくる旅行しか頭になかった私には斬新的で面白かった。30年も前の旅もあり、宿の金額等は当時の相場が分からず、共感できる部分が少なく残念だったが家族とのやり取りは今と同じでほっこりする本だった。

(宇野祥子)

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